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08.01
Mon
前回も「保全計画の支援」というテーマの続きの話をしました。
保全周期を延ばすことができるかどうか評価するため、ある時点で故障が起こ
りそうかどうか「不信頼度」を使って推定する、というやり方を検討していま
す。
不信頼度は、ある時間まで、故障しない確率「信頼度」と対の関係になってい
ます。

ある時間の信頼度:R(t)
ある時間の不信頼度:F(t)

とすると、

R(t)+F(t)=1

という関係性があるため、信頼度を求めれば不信頼度がわかります。
仮に計算したい機械の故障率が一定だとすると、信頼度はネイピア数e
(2.71・・・の無理数)を使って次のように計算できます。

R(t)=e^(-λt)

^:べき乗
λ:故障率

このようなお話をさせていただきました。

今回は、現実的な利用方法を考えます。
まず、実際の計算について説明します。

R(t)=e^(-λt)

は手計算でできないことはありませんが、非常に大変です。
そのためExcelを利用して計算します。
Excelの関数ではこの計算を行う場合、

=Exp(-λ*t)

※λには故障率を現すセルのアドレスを入れてください。
※tは期間をあらわすセルのアドレスを入れてください

不信頼度は、以下の関数となります。

=1-Exp(-λ*t)

これで、ある期間の故障回数のデータを記録しておけば、Excelで簡単に不信頼
度を計算できます。

ただ、少し注釈をしておかなければなりません。
この計算の前提は「故障率が一定である」ということです。
故障率一定ということはランダムに故障が発生するということでもあります。
しかし、本当に故障の発生がランダムになっているのでしょうか?
これは故障の分布を確認しなければわかりません。

しかし、ある故障モードの発生件数が少なければ、分布を確認するのも簡単で
はありません。

ここで、もともと何をしようとしているのか立ち戻ってみましょう。
本稿では、定量的なデータの分析により直接的に正確な「予測」をしようとい
うことを目的にはしていません。
「意識が及ばないところを可視化する」ことで、経験や勘による「予測」を補
完するためにデータの分析を取り扱っています。

そして、今問題にしているのは

「もっと保全間隔を伸ばせないのか?」

このような課題への対処です。そのため、

「発生頻度×影響度(損害・コスト)」

というリスクマネジメントの考え方を利用しようとしていました。
つまり、リスクの比較の目安にするために不信頼度を使おうという試みです。
不正確な分析でよい、と申し上げるつもりはありません。
ただ、今回挙げた分析はそもそも、いくつかの仮定に基づいているわけです。
ですから、留保つきの判断材料ですし、それを承知で取り扱えば、非常に便利
ではないかと思います。

ある期間の不信頼度計算で得られた確率と、故障発生時によって引き起こされ
るコスト。これらの積によって算出したリスク評価は「コスト」で表現される
ので、比較などの取り扱いが容易です。
それだけに数字が一人歩きして、計算を絶対視してしまわないよう、注意する
必要はありますが、「意識が及ばないところを可視化する」という目的にはか
なっていると思います。

さて次回も、もう少しこの問題を考えたいと思います。
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08.01
Mon
※前回の例で、「MTTF12ヶ月、故障率0.25」と記載してしまいましたが、
「MTTF12ヶ月、故障率0.083/月」の記載間違いです。申し訳ありませんでした。

前回も「保全計画の支援」というテーマの続きのお話をしました。
保全周期を延ばすことができるかどうか評価するため、「リスク」と「推定」
について着目しました。
そのうち、「推定」とは限られた事象から物事を確率的に考える手法という意
味、捉えてください。

さて、これまで利用してきた「MTBF」「故障率」の計算は、あくまでもある時
点での「平均値」をもとしています。
例えばMTBFが12ヶ月だとしても、実際に発生したデータを見てみると、ぴった
り12ヶ月で機械が故障しているのではなく、早く故障するものもあれば、遅く
故障するものもあるわけです。

つまり、ある時点で故障が起こりそうかどうか「推定」するためには別の手法
で評価してあげなければなりません。

その手法の一つが「不信頼度」です。
不信頼度の考え方で言えば、スタート時点の故障確率を「0」です。
将来必ず故障する時期が「1」となります。
つまり、時間がたつにつれ0→1の漸増していくということになります。

こうした話をさせていただきました。

さて、今回はこの「不信頼度」をどのように計算すればよいのか、という説明
をさせていただきます。

不信頼度の計算について考える前に、「信頼度」についてお話をします。

これは言葉の通り、不信頼度の逆の考え方です。
不信頼度はある時間までに故障する確率を指していました。

ですから、「信頼度」はある時間まで、故障しない確率のことを指しています。

不信頼度と同様0~1までの確率で表すことができます。
先月出した例で言えば、スタートの時点では故障している機械はないので、信
頼度「1」(100%)ということになります。
そして、全ての機械が故障したときには信頼度は「0」(0%)となります。

ここで、信頼度と不信頼度の関係を考えてみると、次のような式が成り立ちま
す。

ある時間の信頼度:R(t)
ある時間の不信頼度:F(t)

とすると、

R(t)+F(t)=1

ということになるのです。

この式から不信頼度を計算すると

F(t)=1-R(t)

ということになるわけです。
つまり、信頼度がわかれば不信頼度がわかります。

信頼度はどのように求めればよいでしょうか?

仮に、計算したい機械の故障率が一定だとします。
故障率が一定とは、故障の分布をとった場合、その故障がランダムに発生して
いるということを意味しています。
故障の発生に偏りがなくどの時点であっても、同じように故障が発生する可能
性がある、という意味です。

このような分布になっているときには、細かな解説は省きますが、故障の発生
間隔は指数分布に従っている、ということになります。
すると、機械の信頼度は次のような式で計算することが可能です。

R(t)=e^(-λt)

e:自然対数の底でネイピア数とも呼ばれています。その値は「2.7182・・・」
と無限に続く無理数です。

^:キャレット、べき乗のことを示しています。

λ:発生確率、つまりここでは故障率となります。

t:時間を示しています。

さて、前回の例について、仮に故障率一定として考えて見ます。
故障率は0.083/月となっていました。
ネイピア数は単純化して2.7で計算します。

スタート時点の計算をすると、

2.7^(-0.083×0)

ということになり、計算結果は「1」です。
つまり、スタート時点では当たり前の話ですが信頼度100%です。

では、60ヶ月経過後にはどうなっているでしょうか?

2.7^(-0.083×60)

計算すると0.007109、つまり信頼度は約0.7%です。
ほぼ信頼度は0に近くなることがわかります。

それでは、そのMTTFの12ヶ月ではどうでしょうか?

2.7^(-0.083×12)

計算すると0.3718・・、つまり信頼度は約37.2%ということになります。

さて、信頼度が計算できれば不信頼度も計算できます。

F(t)=1-R(t)

なので
12ヶ月で計算すると、

1-0.372

結果は、12ヶ月時点での不信頼度は62.8%ということになります。

次回はこの話をもう少し深めていきたいと思います。
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04.20
Wed
1月をお休みしてしまったので、昨年12月の内容の続き、ということになります。
申し訳ありません。

前回は、「保全計画の支援」というテーマの続きでした。
もっとコストダウンするために、保全周期の延長は果たして可能なのか?
という問題を取り上げています。
その問題を考えるためのポイントとして挙げたのが「リスクマネジメント」と
「推定」でした。
ここで使っている「リスク」とは、

「確率的に発生する事象によってもたらされる、何らかの損害を伴う影響」

ということでした。
損害というのは多くの場合「コスト」です。一方、確率的に発生する事象は
「故障の発生頻度(確率)」のことです。
つまり、保全周期を延ばすことで発生するかもしれないコストと、延長によっ
て得られるメリット(コスト)を比べて、保全周期の延長を判断しようという
考え方です。
その、リスクの計算は一般的に、

「発生頻度(確率)×影響度(損害・コスト)」

で表されます。
ただ、この「発生頻度」の部分に故障率をそのまま適用すると、ちょっと具合
が悪い・・・。
このような話をしてきました。

さて、今回は「推定」に着目します。
ここで使っている「推定」とは、広い意味で、限られた事象から物事を確率的
に考えるための方法と考えてください。

そもそも、保全計画で利用する「故障率」をはじめとするさまざまな指標や考
え方は、ほぼ全て「推定」を持って成り立っています。
計画は未来のことを、何らかの方法で予測することによって成り立ちます。
つまり、何かが起こるか起こらないかわからないけれど、

「多分、こんな風に成りそうだなあ」

と考えて計画を立てるわけです。
予測を、なんとなく気分で決めれば「直感」で計画している、ということにな
ります。
一方で、データから確率的に評価してあげると「推定」する、ということにな
るわけです。
(なお、統計学用語で使う、厳密な推定の意味は別にあります。しかし、ここ
では予測する方法の中で「直感」と対立する考え方として、「推定」という
言葉を使っています。ご了承ください。)

ではリスク評価で利用する「確率」をどのように「推定」すればよいでしょう
か?

前回まで、「MTBF」「故障率」は不変としました。これでは、そのまま使う
と、リスク評価ができません。
そのため、「MTBF」「故障率」について、もう少し細かく考えてみることにし
ます。

「MTBF」は、「平均的」に故障が発生する間隔、ということです。
これはどういう意味でしょうか?

ここまで、「同じ機械」で修理して使える「修理系」として話をしましたが、
少しわかりやすいように、仮に同じ機械を5台並べて、一斉に使い始めるとい
うモデルで説明します。

ヨーイドンで機械を使い始めて時間を計時し、どこかの時点でそれぞれ故障し
ます。
その時間の平均が「MTBF」、(この場合は厳密に言えば「MTTF」「Mean Time
To Failure」)ということです。

例えば計時したものがMTTFが12ヶ月とします。
つまり、故障率は、0.25です。
ここまでは、以前の話と似たような話です。

一方、実際の故障の分布を見てみると、

・5ヶ月
・7ヶ月
・11ヶ月
・17ヶ月
・20ヶ月

このようになっていました。
つまり、MTTFの12ヶ月が過ぎた時点で、半分を超える3台の機械が故障してい
るということになるのです。

当たり前の話ですが、平均の期間が来たら全て故障するわけではなく、早く故
障するものもあれば遅く故障するものもあるわけです。

本稿では以前、MTBFを周期にして保全を行うという例を出していましたが、そ
の例では

「故障は発生しなかった」

という前提にしていました。

しかしその前提は、「たまたまそうなった」にすぎません。
実際にはこの例と同様で、故障が周期どおり発生することはあまりありません。

では、ある時点で故障が起こりそうかどうか、どのように評価すればよいでし
ょうか?

ここで出てくる考え方が

「不信頼度」

です。
今回で挙げた例で言えば、時間がたつにつれ故障する機械は増え、20ヶ月の時
点で100%の機械で故障が発生します。
単純化して言えば、これがこのデータ上から考えられる、不信頼度「1」(100%)
の状態です。

一方で、スタートの時点では故障している機械はないので不信頼度「0」(0%)
ということになります。

つまり、時系列にしたがって0→1に漸増していくのが不信頼度といえます。

これは1台の機械を保全して使う、修理系でも基本的に同じことが言えます。
修理、ないし保全を行って時点を、故障発生確率が「0」とします。
その後使い続けると、将来のいつかの時点では故障が発生します。
つまり、「0」から将来必ず故障する「1」の間のどこかで、故障が発生すると
いうことです。
時間がたつにつれ、修理系でも不信頼度上がっていくということです。

この不信頼度がわかれば、リスク評価で使う、確率として利用できそうです。

では、不信頼度はどのように計算すればよいのでしょうか?

この点は次回お話をいたします。
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03.01
Tue
前回は、「保全計画の支援」というテーマの続きでした。
「予測」のための、定量的な分析の方法のうち故障率と予防保全について考え
てきました。

これまで事後保全であった機械を予防保全に変更するとします。
そして、コストを抑えるという観点から、それまでのデータで算出されたMTBF
ギリギリの周期で予防保全を設定するとしましょう。
その結果、予防保全実施後、故障が発生しなかったとすれば、故障率が下が
り、MTBFが伸びたと言えるのでしょうか?

仮に従来通り予防保全を行わたなかった場合を考えてみましょう。
当初考えていたMTBFが正しいとすれば、そのMTBFで故障が発生する可能性が高
くなります。
予防保全の結果、その故障が発生する前に保全できているために、故障が発生
しなかっただけと言えます。

従って、つまり予防保全を実施している場合には、仮に故障が発生していなか
ったとしても、故障率に変化がないと捉えることが妥当です。

このような話をさせて頂きました。

今回は、その話をもう少し深めていきましょう。

では、皆さんが、組織の上層部からこのように言われているとします。

「昨今、環境も厳しいので、さらにコストダウンが必要だ。機械の故障が起こ
っていないのなら、もっと保全間隔を伸ばせるのではないか?」

さて、どのように考えればよいのでしょうか?

少し前回の例に立ち戻って考えてみます。

前回の例では、予防保全を実施前は

MTBF:2年
故障率:0.5/年

予防保全実施後、トータルの期間で定式通り計算すると

MTBF:3.3年
故障率:0.3/年

となりました。
そこで、言われた通り、この数字をベースに予防保全の周期をそれまでの2年か
ら、3年に延ばしたとします。
するとどうなるでしょうか?

もしも、該当機械の利用条件やなどが変わっていなければ、その2年から3年の
間に故障が発生する可能性は非常に高い、と言わざるを得ないでしょう。

そのように考えると、保全周期は延ばすのは難しい、という結論になりそうで
すよね。
では今度は、同じように予防保全をしている機械が複数台あったとして、

「それらの機械の1台をいずれかを必ず選んで、保全周期を延ばしコストダウン
を図りなさい。」

と言われたらどうしますか?
困りますよね。

実は、本当に保全周期を延ばすことができないかは、わからないのです。
延ばしたも問題ないかもしれないし、問題が出るかもしれない。
ですから、コスト上、今よりもっと最適なやり方はあるかもしれません。

ここで着目したいのは、「リスクマネジメント」と「推定」です。
一体どういうことでしょうか?
まず「リスクマネジメント」について考えてみましょう。

「リスクマネジメント」は本稿でも、何度か触れています。

簡単に説明すると、

1)リスクを把握・特定する
2)リスクを評価する
3)(予防)対策を講じる
4)(事後)対策を行う

このようなプロセスを実施することです。
実は保全周期を延ばす検討をするための、大前提が「リスクマネジメント」、
つまり上のプロセスを回していけるかどうかなのです。

ここで使っている「リスク」とは、

「確率的に発生する事象によってもたらされる、何らかの損害を伴う影響」

と定義することができます。

「損害」とは多くの場合「コスト」のことです。
(ないし、お金を失うことです。)
ちょうど1年ほど前に、「直接的コスト」「間接的コスト」ということで説明し
てきました。
故障という事象が発生した場合、「直接的コスト」「間接的コスト」が発生し
ます。

「直接的コスト」は目に見える費用、つまり、実際の保全作業にかかるコストで
材料費、外注費、人件費、更新費などが考えられます。

一方「間接的コスト」は目に見えない費用、つまり、故障が原因で発生する費
用、代替処置の費用、品質異常、生産の未達による損害、トラブル起因の事故に
伴う補償などが考えられます。

そして、故障という事象は基本的には確率的に発生するものです。

端的に言えば、故障に発生に伴うコストがリスク、ということです。
リスクマネジメントは、このコストをうまく最適化することです。

つまり、保全周期を延ばすことで発生するかもしれない故障のコストが、保全周
期を延ばして得られるメリット(コスト減)をはるかに上回れば、保全周期を延
ばすべきではない、という結論になるのです。
逆に言えば、保全周期を延ばす試みはリスクが低いところで実施する、というこ
とになります。

さて、ここでキーとなるのは、故障によって発生するコストをどのように見込む
のか、すなわち「リスク評価」です。

リスク評価は、単にコストを積み上げるだけではなく、

「発生頻度×影響度(損害・コスト)」

であらわされます。

となるとここで問題なのは「発生頻度」です。
つまり、故障率をどう評価するか、ということです。
いままでの例では、計算した故障率は変わらないという前提でお話していました。そうすると、もとの周期でも、周期を延ばしても、リスク評価は変わらないということになってしまいます。
何か変ですよね。

その点をもう少し考えるために必要なのが、「推定」です。
次回はその話をしたいと思います。

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01.05
Tue
前回も、「保全計画の支援」というテーマの続きでした。
「予測」のための、定量的な分析の方法のうち故障率の現実的な処理方法に
ついて説明をしてきました。

故障率を公式通り計算すると、「故障率=総故障数÷総稼動時間(ここでは便
宜上、設置からの暦日)」となります。
本稿では故障率は「故障モード」ごとに分析すべきだとしています。
そのため、故障回数は大変少なくなります。そうなると故障率の計算時期によ
っては、公式通りの故障率計算による故障率と、直観的な壊れやすさ状態が逆
転することがあります。

この問題は「故障が劣化の進行等によりある程度周期的に起こる」という前提
が抜けていることから発生します。
もし、「最新の故障発生時」時点を基準に故障率を計算したとすればその問題
はある程度解消します。
つまり、最新の故障発生時の周期で今後も故障する、と予想するわけです。

予想された周期で故障が発生しなかった場合はどう考えれば良いでしょうか?
予想時期を過ぎた後は、計算時点現在で故障が発生したと仮定して、故障率を
計算することで誤差を少なくすることができます。

このような話をしてきました。

さて、今回は前回の話をもう少し深めていきます。
前回までの話は、事後保全、つまり故障が発生して修理する、ということが前
提でした。

しかし、保全業務では故障発生を避けるために予防保全を実施することが多く
あります。
それ以前に、「保全計画」を立てるのは、そもそも、予防保全を組み込むた
め、と言っても過言ではありません。

そのため、予防保全を実施する場合、指標としてのMTBFや故障率をどのように
捉えるのか、考えておく必要があります。

さてここでは、予防保全の考え方を次の通り単純化します。

・ある故障モードを避けるための対処を「予防保全」と呼びます。(具体的に
は部品交換などをイメージしてください)
・該当の故障モードは、事後保全であれば概ね周期的に発生するものとします。
・「予防保全」の作業ミス、もしくは何らかの特殊要因で該当の故障モードが
発生することは想定から除きます。
・機械の故障モードは一つで、他の要因(故障モード)の影響は受けないもの
とします。

それではまず、これまで事後保全を行っていた機械を予防保全に切り替えるこ
とを考えてみましょう。

例①---------------------------------------------
該当機械では稼働から6年経過、仮にそれまで2年に1度(つまり3回)、故障が
発生していたとします。
つまりMTBFと故障率はそれぞれ、

MTBF:2年
故障率:0.5/年

です。
この機械で、故障を発生させずコストを抑えた予防保全をするとしたら?
-------------------------------------------------

さて、コストを抑えるためにはギリギリまで保全時期を遅らせる必要がありま
す。
ですから、MTBFで想定される故障発生の直前で予防保全を実施、つまり予防保
全は概ね、2年周期で実施ということにします。

その結果、例えば4年経過して、その4年は故障が発生しなかったとします。
(予防保全として、まずは成功です)

その時、機械のMTBF、故障率はどうなっているでしょう?

稼働後、10年で故障が3回なわけですから、公式通り計算すると、

MTBF:3.3年
故障率:0.3/年

になります。
つまり、故障する可能性が4年前に比べて、減っているということになります。
この結果を、どう考えればよいのでしょうか?

素直に、

「10年たったこの機械のMTBFは3.3年、故障率は0.3/年です」

と言い切ってよいのでしょか?

一度基本に立ち戻って、何のためにMTBFや故障率を算出しているのか、考えて
みましょう。
そもそもこの話は、保全計画を支援するため、定量分析によって「意識が及ば
ないところを可視化する」というところから始まっています。
その一環で、予測をするための指標としてMTBFや故障率を利用しようとしてい
るのです。

従って、公式の計算上何が正しいのか、というよりも見える化につながる、実
態を踏まえた指標になっているのかがポイントです。

実は、前回の事後保全でも問題になった前提を考慮するかが重要になります。
それは、

「故障が劣化の進行等によりある程度周期的に起こる」

という前提です。

予防保全の観点から、この話を少し図示してみます。
ある時点の故障修理以後、保全業務を予防保全に切り替えたと想定しています。

<稼働>→→→<故・修>→→→<保全>(‥→故?)→→→<保全>(‥→故?)→・

※<故・修>:故障後修理
※<保全>:予防保全対応
※(‥→故?):将来故障するであろうという予測

つまり、予防保全で前提にしているのは、

「故障が劣化の進行等によりある程度周期的に起こる」

ために。

「もし予防保全をしなければ、保全実施時期後の将来のある時点、「故障」が
発生するだろう」

ということなのです。

では、その「将来のある時点」とはいつなのでしょうか?
実際にはいつ故障が発生するはずだったのかは、わかりません。

今回取り上げた例①では、次のように考えました。

「最終故障時点でのMTBFから算出される故障時期」≒「将来のある時点」≒
「予防保全時期」

このような考え方のもと、予防保全も概ね2年周期としたのです。
逆に言えば、稼働後10年の時点での予防保全を引き続き2年周期と考えるとす
れば、それは以前と変わらず、

MTBF:2年
故障率:0.5/年

と見なすということです。

つまり、この例では、事後保全の時と同様に「最新の故障発生時」を基準にし
て、MTBFや故障率を組み立てているということです。

実態を考えてみても、保全後、何もしなければ2年くらいでまた故障が発生し
そうだという想定は、違和感が少ないと思います。
一方、保全後、何もしなくても3年大丈夫だ、と考えることはちょっと無理が
あるように思いませんか?

予防保全の時も公式上の計算だけで、MTBFや故障率を考えるとすれば以上のよ
うになかなかうまくいかない、と思われます。

さて、今回はここまでにして、次回もう少し予防保全とMTBF、故障率の関係に
ついて考えたいと思います。
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