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11.26
Wed

前回も設備情報管理による「保全計画の支援」というテーマの中で、
「コスト」という要素、特に「直接的コスト=作業コスト」について話をして
きました。

保全作業にかかる各コストが全く管理されていない場合、保全計画のコストは
どのように見積もることができるのでしょうか?

一つは、会計データからコスト総額で代用する方法が考えられます。
また、経験からコストを見積もるという方法も考えられます。
ただ、こうした方法では、計画と事績との間での乖離が激しくなります。
個々の作業コストを調べるという方法もあります。これなら精度はある程度上
がります。
ただ、膨大な時間が必要です。

一方、日々の作業データを管理しながらあわせてコストデータも管理していた
ら、計画策定の際にそれほど時間をかけず見積もりすることも可能です。
つまり、設備情報管理によって保全計画の作業コストの見積もりを支援できる
のです。

前回は、このような話をしてきました。

今回は、保全計画と「間接的コスト」の関係についてお話していきたいと思い
ます。

まず、「間接的コスト」についてもう一度おさらいします。

何か設備にトラブルが起こった場合、直接修理にかかる費用が「直接的コス
ト」でした。
一方、

◎別の設備の稼動・外部への委託・人手による対処など、代替処置によるコス
トがかかってしまう。
◎生産・処理対象の品質異常が発生してしまう。
◎製造業の場合、生産が予定通り行かず、販売に影響を与えてしまう可能性が
ある。
◎トラブル起因により事故が発生した場合、その補償が必要なことがある。

このような、設備トラブルが原因となり、結果として引き起こされる現象に
よって、間接的に発生するコストを「間接的コスト」と呼びました。

さて、保全計画の目的をもう一度思い起こしてみましょう。

「保全のトータルコストを管理する」

でした。しかし、

「この設備を維持していくためには、トータルでどの程度の費用が掛かるのだ
ろう?」

と考えるときに、「間接的コスト」を意識することはありますか?
ほとんどの方が、あまり意識することはないですよね。

実際、私がお伺いしたお客様の保全計画を見せていただいても、間接的コスト
が何らかの形で織り込まれていることは、ほとんどありませんでした。

では、保全計画の想定から「間接的コスト」を無視してもよいのでしょうか?

そもそも、設備管理業務とは何のために行うのだと思いますか?

色々な考え方はあると思いますが、私どもは、本稿でもずっと以前に書いた通
り、設備管理業務は「リスクマネジメント」のために必要だと考えています。

リスクマネジメントとは、一般的に以下のような定義でとらえられています。

**********************************************************************

リスクマネジメント(英語: risk management)とは、リスクを組織的に管理
(マネジメント)し、損失などの回避または低減をはかるプロセスをいう。
(中略)
リスクマネジメントは、各種の危険による不測の損害を最小の費用で効果的に
処理するための経営管理手法である。

**出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』*****************


それを踏まえて、以前、私共は本稿で次のように書き込ました。
----------------------------------------------------------------------

本質的に、設備管理業務はリスクマネジメントそのもの、と言ってもよいかも
しれません。設備を導入して何事も起こらず順調に設備が稼動していけば、
「設備管理」など不要だからです。
大なり小なり何か問題が発生し、その問題によって損害を被る可能性があるか
らこそ、設備管理業務が成り立ちます。

--設備情報管理のポイント第6回より抜粋---------------------------------

(設備管理を実施するうえで、リスクマネジメントをどのように考えるかは、
本稿の第6回(2008年5月)~25回に詳しく記載していますので、ご興味のある
方はお読みください。
http://www.econity.co.jp/newsletter/index.html)

つい最近も、新日鉄住金 名古屋製鉄所で爆発事故が起こって大きな物的、人
的な被害が出ました。
この事故以前にも、今年に入って何度か黒煙が発生し、その結果損害賠償の話
も持ち上がっているという報道もありました。

爆発事故は、今のところ、燃料となる石炭保管に起因する問題と結論付けられ
ているようです。
また、黒煙の発生は電源系統のトラブルに起因する問題のようです。

このように、直接的な原因は様々です。
しかし、本質的な要因を考えると、こうした問題は設備管理上のリスクを十分
把握できなかったために、発生した側面もあるように思います。
つまり、損害の可能性を、もう少し意識していたら、事前にとれる対策もあっ
たかもしれないと思うのです。

今回、保全計画で問題にしている「間接的コスト」とは、まさにリスクマネジ
メントでいう「損害」に他なりません。
つまり、損害の可能性≒「間接的コスト」について意識することは、損害を避
けるための対策、つまり保全計画を策定し、実施していく上で、極めて重要な
のです。

ただ、実際には「間接的コスト」を把握するには手間暇がかかります。
実施するのは大変です。

ただ、設備情報管理をきちんと行っていると、「間接的コスト」把握を一部支
援できるできる可能性があります。

その点を次回考えていきましょう。
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