06.18
Wed
前回は「設備情報管理のメリット」というテーマの中の、「情報へのアクセス
の改善」ということについて説明をしました。
まずは、わかりやすくご説明するため、「コピー作業にともなう情報管理」と
いうことを例に挙げました。

「コピー」は非常に単純な作業ですが、コピーの量やエラー回数など作業に伴
う何らかの情報は出てきます。
もし、その情報を覚えておかなければならないとしたら、どうでしょうか?
回数が増えたり、複数の人が作業したり、ということを考えると、それを頭の
中で覚えておくのは非常に困難です。
また、その都度メモを取っていたとしても、そのメモの管理方法がはっきりし
ていなければ、時間がたつとメモがどこにあったかがわからなくなってしまい
ます。

このように、非常に単純に見える作業でもその情報を人間の頭の中だけで処理
するのは難しいことです。
そのため、「情報管理」というルールが必要になるのです。
言い換えると情報管理のメリットの本質は、「ルール」によって「忘れる」こ
とをいかに補えるかという点だと思います。

このような内容をご説明してきました。

さて、今回は、前回の内容を踏まえて設備管理業務の中で、どのように「情報
へのアクセスの改善」が期待できるか、ご説明します。

お客様のところにお伺いすると、ときどき、こんな話を聞きます。

「この機械については、○○さんに聞けば大概の事はわかるよ」

その業務の機械について本当に熟知しているスーパーマンのような方です。
しかし、そのような方でも全ての機械について細かく把握しているかとなると、
なかなか難しいと言わざるを得ないと思います。
過去の作業状況、必要な部品、メーカー・・・。

「大体こんな感じだった」

ということはわかっていても、詳細は何かの資料を調べるということがほとん
どです。

ましてや、経験が十分でない方はどうでしょうか?
非常に大変なことは容易に想像がつきます。
もしかすると、どのように調べたらよいかすら、見当がつかないこともあるか
もしれません。

私自身がお客様を訪問してお伺いした中には、こんなお話がありました。

◎実例1
部品の交換をしなければならない場合、その交換頻度が少ないと、そもそも適
合する型番がわからない。
そのため、該当機械の図面などを引っ張り出して調べているが、それがわかっ
ても、該当型番の部品が在庫があるのか、ありそうだとしても、在庫が実際ど
こにあるのか探すのに非常に時間がかかっている。

◎実例2
故障が発生した場合、過去の記憶で似たような故障が前に発生したはずだ、と
直感的に思い当たる。
しかし、それが実際にいつ発生して、どのように対処して、どんな結果になっ
たのか、はっきり思い出せない。
資料を探してもなかなか出てこないので、結局手探りで対処するが、過去にと
った方法との整合性が取れているか判断もできにくい。

◎実例3
設備に問題が発生した際に、検討の結果、初期状態から基準値の変更を行った。
ところがその記録が残されなかった。
そのため、また別の問題が発生し、該当設備調査した際に、基準値が変更され
ている理由がわからず、初期状態に元に戻してしまった。

◎実例4

書庫に過去の図面が保管されているが、各担当者が勝手に持って行ってしまう。
そして、別の場所に置き忘れてしまう。
当然、別の人が書庫にあるはずだと思って図面を取りに行っても見つからず、
延々と時間をかけて図面探しを行うことになってしまう。


◎実例5

翌年度の設備メンテ計画と予算申請を行う際に、だいたい当該年度、前年度の
資料を基準にしている。
ところが、今年何をやったのか、それにいくら費用がかかったのかという記録
が、会計上の伝票からしか追うことができない。
そのため、毎年一定の時期になると過去の伝票を引っ張り出して、データを
Excelに打ち直して計画の資料を作成している。


これは、全て私達がお客様からお伺いしたことがある内容です。
そして、それぞれ「情報へのアクセス」に起因する問題と言ってよいと思いま
す。
つまり、情報がどこにあるのかがわかり、それがすぐに取り出せる状態であれ
ば解決できる問題です。
だからこそ「設備情報管理」によってメリットが得られるのです。
情報管理をするということは、

・設備の情報がどこにあるのかわかるようにする
・設備の情報をすぐに取り出せる状態にできるようにする

これらがルール化されている、という意味だからです。

実際には、どんなご担当者様も、そのことは薄々気付いていると思います。
しかし、わかっていても、できない、ということも多いと思います。

なぜでしょう?

一つは本当に効果が得られるのか、十分確信が持てないのではと思います。
メリットと言っても、漠然と

「担当者が便利になりそうだ・・」

という、定性的な感覚でとらえているのではないでしょうか?

そうではなく、これは定量的、つまりコストの問題です。
逆に言えば、コストの問題としてとらえなければ、本質的なメリットが見えて
こないのです。

そのことを、次回ご説明したいと思います。
スポンサーサイト




comment 0 trackback 0
トラックバックURL
http://setsubitakumi.blog.fc2.com/tb.php/112-ec13d30a
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top