06.19
Thu
前回も「設備情報管理のメリット」の中で、「設備・保全教育コストの削減」
についてご説明させていただきました。

「設備管理分野」はその業務構造上、設備情報管理によって「設備・保全教
育コストの削減」につながりやすいと思われます。

IT業界や、ゲーム業界など変化が激しい業界では、数年前の常識やノウハウ
が現時点では全く通用しない、ということも珍しくありません。
一方、設備管理の業務では、投資した設備機器は、かなり長く使い続けるこ
とが前提です。
減価償却で考えても、短いもので5年程度、長いものは15年にのぼるものもあ
ります。
実際、数十年使っているような機械もあるようです。

そうなると、過去の情報の蓄積がそのまま生かせる可能性も高くなります。

このような話をさせていただきました。

さて、設備管理業務では情報管理をすることによって「設備・保全教育コス
トの削減」というメリットが得られやすい、ということは前回のご説明であ
る程度ご理解いただいたかと思います。

そうなると、問題は費用対効果、ということになります。
つまり、情報管理にかかるコストと、削減できる設備・保全教育コスト、比
較するとどちらに軍配が上がるのか、ということです。

まず、情報管理にかかるコスト、とは以前のニュースレターでもお伝えしま
した通り、以下のようなものが挙げられます。

■設備情報管理運用にかかるコスト(/月)→項目C

 *データの追加・修正などの日々の入力コスト
*人員が入れ替わった場合の教育コスト
*コンピュータソフトや設備を利用している場合にはその保守コスト

 など

■設備情報管理導入にかかる初期コスト→項目D

 *初期データを入力、または整理するためのコスト
 *初期教育コスト
*コンピュータソフトや設備を利用するいる場合にはその購入コスト

 など

特に運用コストに関しては、イレギュラーなことも発生するので、見積もっ
たコストの1.3~1.5倍くらいの係数をかけて、大きめに見積もっておくこと
をお勧めします。

一方、削減できる「設備・保全教育のコスト」はどのように見積もることが
できるでしょうか?
これは、なかなか難しい問題です。
まず、どんな教育コストが考えられるか挙げてみます。

項目K:OJTを行うために必要なコスト
項目L:引き継ぎ資料・説明資料を作るのに必要なコスト
項目M:新任担当者が情報を探すために必要なコスト
(設備管理業務の場合、座学はあまり一般的ではないのでここでは検討から
除外します。)

それぞれのコストについて、少し説明いたします。

■項目K:OJTを行うために必要なコスト

まず、OJTを受ける人(新任担当者)は、そもそも必ず「学習」をしなければ
業務ができないと思われるので、OJTのコストとしては無視いたします。

問題は、OJTのトレーナー、教育をする側のコストということになります。

OJTでは、通常業務を遂行しながらの教育、ということになります。
従って、OJTのトレーナーも全面的に時間を割くわけではありません。
一人で作業を遂行した場合に比べてかかる余分な時間が、OJTにかかるコスト
ということになります。

ただ、これを厳密に算定することは難しいと思われます。

従って、組織ごとの状態を考えてそれぞれでパーセンテージを考えてくださ
い。
例えば、業務の20%をOJTに充てている、などの仮定が必要になります。

20%の場合、

トレーナーの1ヶ月の就業時間×20%×1カ月当たりの単価

が1カ月当たりのコスト、と考えられます。
就業時間が160時間とすると、32時間程度はOJTに費やされる計算になります。
OJTを半年程度行うとすると、コストは192時間×単価、ということです。

ただ、これは一人の業務に対してかかる時間です。
保全担当者が複数いる場合、数年単位で考える場合などトータルで考える
と、さらに膨れ上がります。
例えば3人の担当者がいて、その担当者が5年かけて順次入れ替わるとしたら、
5年間の間に、その3倍程度コストがかかる可能性があるということです。


■項目L:引き継ぎ資料・説明資料を作るのに必要なコスト

後任の担当者のために、資料を作るためのコストです。
これは単純に言えば、作成作業者の人件費が問題ということになります。

ここでは、仮に担当する設備ごとに資料を作る、という仮定で考えてみます。
つまり、

1台あたりの資料まとめ時間×台数

という考え方で時間を割り出すことができます。

具体的には、設備ごとに、管理のポイント、関連資料の整理、過去の状況の
メモなどを作っていくという作業が考えられます。
この作業は、人により、状況により、時間の掛け方が大きく異なると思いま
す。
そのため、やはり組織ごとの事情を勘案して計算して下さい。

例えば、1台あたり1時間程度、200台の設備の資料をまとめると考えると、
200時間かかる、という計算になります。

すべての設備の資料を、同じ時期にまとめることがなくても、将来引き継ぎ
を行うとしたら、資料のまとめが必要になる可能性は高いと言えます。


■項目M:新任担当者が情報を探すために必要なコスト

これは、新任担当者が業務を引き継いだ後、知識不足等によって必要な情報
を探すために発生するコストです。

例えば資料を探す、人に聞く、実地に調べるなどが考えられます。

これは、以前ご説明した「情報へのアクセス(情報探索)」に関わるコスト
の一種です。
発生するコストの計算方法は次のようになります。

新担当者の情報探索時間-旧担当者の情報探索時間

例えば旧担当者なら平均10分で情報を引き出せたのが、新担当者では平均30
分かかっている、という場合には「20分」が余分なアクセスコストです。
これが、月平均でどの程度発生するかを考えると、コストが算出できます。

さて、結構長くなってしまいましたが、これらの項目の関係性、設備情報管
理によってどのようにコストが削減できる可能性があるかについては、次回
ご説明します。
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