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09.30
Tue
前回も設備情報管理による「保全計画の支援」というテーマの中で、
「コスト」という要素について話をしてきました。

コストには「直接的コスト」と「間接的コスト」があります。

「直接的コスト」は目に見える費用、つまり、実際の保全作業にかかるコスト
ということになります。
材料費、外注費、人件費、更新費などが考えられます。

一方、「間接的コスト」は目に見えない費用、つまり、設備トラブルが原因と
なり、結果として引き起こされる現象によって発生するコストです。
代替処置にかかるコスト、トラブルによって引き起こされる品質異常、生産の
未達による損害、トラブル起因の事故に伴う補償などが考えられます。

「直接的コスト」は、通常、保全計画を立てるうえで基本要素なので、本来き
ちんと網羅しておく必要があります。
ただ、いざ見積もろうとしても、コスト情報を管理しなければ、保全計画での
コスト見積もりがあいまいになったり、時間がかかったりしてしまうかもしれ
ません。

こうした内容で話を進めてきました。

今回はこのコスト見積もりの内容をもう少し深く掘り下げて、見積もりがあい
まいになったり、時間がかかるパターンについて考えていきます。

仮に、コスト情報が管理されておらず、各作業に対する「直接的コスト」
(作業コスト)が全くわからない状態を考えてみましょう。
つまり、今後行う作業がわかっていたとしても、個々の作業コストは見積もれ
ないということになります。

その状態で、保全計画のコストをどのように見積もるのでしょうか?

まず、会計データから前年度(もしくは直近の何年かに)にかかった保全コス
ト総額を調べて、その内容をベースに保全計画のコストを決める、という方法
が考えられます。

また、もっとシンプルに、これまでの経験から大まかにこれくらいかかりそう
だ、というコストの予想をするという方法も考えらえます。

もちろん、この両者の複合でというケースもあります。

こうしたやり方なら、比較的手間をかけずに見積もりができるかもしれません。
しかし、計画の精度の点では、問題があります。

まず、計画と実績との間での乖離が発生する可能性が高くなります。

それだけでなく、例えば保全コストを減らすように計画を立てたいと思っても、
実現性を無視したものになってしまうかもしれません。

「10%、保全コストを削減しよう」

という方針があった場合、乱暴に言えば、

「とりあえず、昨年の数字から10%削った数字を計画に入れておこう」

このように計画時だけの数字合わせに終わってしまうかもしれません。
具体的に何を削減するのか、という実効性がある計画が見えてこないのです。

このような見積もりは、稀にしか行っていない、例外的なものでしょうか?

見聞きした範囲では、実際には数多くの現場でこうした状況が起こり得るとい
う印象を持っています。
意識はしていなくても、結果としてそのようになってしまうことは、少なくな
いように思います。
「保全計画」と意識していないかもしれませんが、次年度の予算を立てるとき
に、こうしたやり方を使っているというお話を聞くことが、何度かありました。
「予算は毎年定額」という話を聞くこともあります。
もし、保全計画をしっかりやろうとした場合、こうしたコスト管理のやり方を
とっているとしたら、変えていかなければならないように思います。


一方で、個々の作業コストを調べて見積もりをするという方法も時々お伺いす
ることがあります。
過去の会計データや、最悪の場合、紙の伝票から類似作業を探して、そのコス
トを確認するというやり方です。
確かに、過去の保全コスト総額を使ったり、経験と勘でコストを見積もるより
は計画の精度は高くなりそうです。

しかし、膨大な時間がかかります。

保全部門の管理職の方で、この作業に毎年かなりの時間をとっているという方
に何人かお会いしたこともあります。
忙しい保全部門で、調査に時間をかけることはかなりのロスになると思います。
計画自体は、じっくり時間かけるべきものかもしれませんが、基礎的なデータ
の調査に時間がかかっては本末転倒かもしれません。

もう一つ見積もり方法があります。
それは、過去の作業コストのデータを管理していて、その内容を利用して見積
もりをする、というやり方です。
作業を行う都度、そのコスト情報を蓄積して、計画時にはその情報を参照しな
がら作業コストを見積る、という考え方です。
つまり、作業コストの情報管理をしっかり行うということです。
この方法であれば、精度の問題や時間のロスをかなり回避することができます。

「データを蓄積するのが面倒じゃないか」

という考え方もあるかもしれません。

しかし、考えてみてください。
多くの場合、保全作業後に、レポート、作業時間の記録、伝票の記載など、作
業に伴ってコスト関係の情報を記述しているのではないかと思います。

そうした情報を記述するときに、後で取り出すことを意識することが、実は情
報管理につながってくるのです。

例えば、レポートに記入する時は手書きをやめてデータベース化する、伝票作
成もなるべく電子化する、作業時間を記録する場合にはどの設備に対して作業
したのか合わせて記録するなど。
つまり、日常業務の中で作業コストの情報入力を組み込むことで、それほど時
間をかけず、保全計画のコスト見積もりの精度を上げることに役立つのです。

以上のように、作業コスト=直接的コストの情報を管理してくことが、保全計
画の支援にどのようにつながるのかを見てきました。

次回は、保全計画と「間接的コスト」の関係について検討したいと思います。
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