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09.07
Mon
前回も、設備情報管理の「保全計画の支援」というテーマで「予測」するため
に分析対象となるデータのうち「コストデータ」についてお話をしてきました。
コストは何度か本稿で取り上げていて、大きく二種類に分けて考えています。

・直接的コスト≒作業コスト
・間接的コスト≒損害コスト

これらのコストをできるだけ可視化することが、予測するうえで重要です。

「直接的コスト」はその内容を細かくとらえ、「材料費」、「外注費」、
「人件費(作業工数)」、「更新費」など、内訳を具体化すれば、精緻に分析
やすくなります。

一方「間接的コスト」は、実際のコストを把握しにくいものです。
そのため、「設備の重要度」、「保全ランク」、「停止時間」、
「故障(損害)規模」など代替手段を用いる方法をご提案しました。
しかし、これらの方法のいくつかは、人の主観で左右されます。
つまり、予測にブレが生じやすいということを予め念頭に置いて、基準を決め
る必要があります。

いずれにせよ、予測をするときにコストデータは欠かせないものなので、どの
ていど細かく分析するか考えておく方がよいと思われます。

このようなお話をしてきました。

今回は「測定データ」についてお話をしたいと思います。

皆様もよくご存じの通り、設備の状態を把握するために様々なデータを収集し
ています。
例えば、「電流値」「圧力」「量」「温度」「濃度」「(運転)時間」
「処理回数」「振動」「長さ」「重量」・・・。
これらのことを、ここでは「測定データ」と呼んでいます。
つまり、点検や検針の数値データ、診断データ、監視機器で自動収集したデー
タということです。

「測定データ」には主に二つの用途があります。

一つ目は、確認時点で、何らかの異常値が出ているかどうかや、一定の閾値を
超えていないかを判断することです。
値が平常時と著しく異なっていたり、閾値を超えていたりする場合には、原因
を確認したり、対処を実施したりする必要が出てきます。

もう一つは、時系列の傾向を確認することです。
継続的にデータを確認すると、値が下がったり、上がったり、周期的に変化し
たりと、一定の傾向が見える場合があります。
そうした傾向が把握できれば、設備の異常予測に役立つことがあるのです。
ここが、保全計画に結びつきます。

特に機械設備では、「測定データ」によって異常予測をする技法は様々な形で
研究されています。
一般的に設備は、使用状況に応じてその全部、もしくは一部が劣化していきま
す。
若干の劣化は設備の機能に影響を及ぼさなくても、その劣化が進むことで故障
につながります。

その劣化の進行が「測定データ」にあらわれることがあります。
例えば、皆様ご存知の通り、ベアリングの摩耗状態や配管やタンクの減肉状態
を、継続的に測定すると、劣化の進行が把握できます。
つまり、時系列のデータを主に解析することによって、いつ頃、閾値を超える
可能性があるかということが予測できることになるのです。

そうした予測ができれば、部品の交換時期の調整など、保全計画が立てやすく
なるわけです。

さて、ここで注意すべきことがあります。

それは「測定データ」によって何を予測できるのか、きちんと確認しなければ
ならない、ということです。

そもそも、こうした予測は

「予測によって故障の発生を未然に防ごう!」

という考え方が前提にあります。

しかし、こうした予測をする場合に漠然とした「故障」という考え方を対象に
するのは難しいと思われます。

「このデータを測定すれば、この機械がいつ故障するかわかりますか?」

このようなご質問にはお答えしにくいのです。

ある一つの機械でも故障にはいろんな種類があります。
ですから、ある一つのデータだけを確認すればすべての故障を把握できるわけ
ではないのです。
通常、一つの測定データで、ある特定の部位の、特定の故障モードのみが予測
の対象となると思います。

つまり、予測しようとしているのがどの部位の、どんな故障モードなのかをし
っかりと把握することがまず必要なのです。

さらに、問題があります。

故障モードが把握できても、そもそも故障の発生のメカニズムがはっきりして
いるものと、はっきりしていないものがあります。

さらに、メカニズムがはっきりしていて、測定できるデータとの相関関係も明
確なものとそうでないものがあります。
相関が明確なものは、様々なところに資料もあり、診断技術も確立されている
ものが多いので、予測が立てやすいと思います。

一方、故障のメカニズムははっきりしていないが、測定できるデータの相関関
係を推定できそうなものもあります。
例えば、自分のこれまでの経験で、データ上、一定の傾向が出てくると、特定
の故障が発生しやすい、という場合です。
これは、判断に困ります。
個人の、ある特定の印象から勘違いしている可能性もあるからです。

そのため、過去のデータを統計的に分析してある程度立証するか、少なくとも
予測の精度に問題があることを前提に、計画を組み立てていかなければなりません。

「測定データ」についての概要と、注意点は以上です。

ここまで何回かに分けて、「予測」の対象となるデータについての解析を行っ
てきましたが、次回からは具体的な予測の技法や事例についてお話ししたいと
思います。
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